「ふつうのくま」
佐野洋子・作
(講談社 1994)
佐野洋子・作
(講談社 1994)
くまは、はちみつをいくらなめても、ドーナツを
おなかいっぱいたべても、いつもどこかさみしいのでした。
それは、とだなのなかにしまってある、
おじいさんのおじいさんのおじいさんのおじいさんがのって
そらをとんだという――その後は誰もとんでいない――
あかいじゅうたんのせいでした。
毎日毎日、とぶことについて考えるけれど、とぶ勇気がでないのでした。
しかしある日、とうとう「そのひ」がきます。
ピクニックにいってチーズをたべればしあわせになれる、
なかよしのねずみは、そんな危ないことはしてほしくないとおもうのですが…
(下)